« 玉ちゃんの独り言 第36回「最近の話題に一言(?)+先月の訂正」 | メイン | 玉ちゃんの独り言 第38回「2014年を振り返って」 »

2014年11月26日 (水)

玉ちゃんの独り言 第37回「XX解散総選挙」

 宮崎駿監督がアカデミー名誉賞を受賞した。喜ばしいことである。故黒沢明氏以来2人目と云う快挙で、各マスコミは当然これを一斉に報道した。だが、宮崎監督の受賞スピーチの内容に触れたのは、新聞では、日経1紙であった。残念なことである。宮崎氏は、自分が50年間無事に仕事できたのは、日本に戦争が無かったからだと語り、続けて、平和憲法を改変して戦争参加の道筋を作っている現政権を批判した。日本とは違い、アメリカの芸能界では政治的発言は日常であり、小生も「戦場のピアニスト」の主演男優賞スピーチの素晴らしさと割れんばかりのスタンディングオベーションを観たときの感動は、今も鮮烈な印象で決して忘れることはできない。国家権力を批判できるのも国民の大切な権利であり、それは封じ込めようとする政権は、どの国でも、いつの時代でも、必ず国に災いをもたらしてきた。

 さて衆議院が解散された。もちろんこれは首相の専権事項なので、誰もそれを止めることはできない。ただ、首相に解散権が与えられているのは、基本的に内閣不信任案が可決される場合と、衆議院議員の任期が迫っている時のためであり、やたらめったらに乱用して良いはずはない。今回も税収が少ないのが根本原因のはずなのに、任期半ばで、700億円もの血税を無駄遣いしようとしているのだ。しかも自民党にとっても、総裁の我儘(自身の政権の延命のため)で、普通ならあと2年代議士でいられるはずの何十人かが、路頭に迷うのだ。今回の解散を小泉政権時の郵政解散と同じように語る向きもあるが、その時とはまったく異なっていると思われる。確かに当時も小泉首相の思いつきのような突然の解散ではあったが、郵政民営化法案が参議院で否決されたという状況で、解散の無い参議院の代わりに、民意を問うたというものであった。小泉首相の執念とも云える郵政民営化については、国民はもちろん、与野党議員、専門家も意見は真っ二つに割れていた。したがって、当初は政府自民党(公明党も含め)の苦戦が予想されていたくらい危険な賭けであったのだ。それに比べれば、今回の消費税増税延期に対しては、国民も野党も反対してはいない。シングル・イッシュ選挙は褒められたものではないが、今回はそれでさえないのだ。もし「国民の生活に深く関係のあることだから、民意を問いたい」という安倍首相の言葉が誠であるならば、今回のように国民の意見が政府と一致していることに無駄に血税を浪費するのではなく、賛否両論あること、例えば集団的自衛権行使の問題(まさに日本国民の命に係わる歴史的大転換)こそ、民意を問うてから決めるべきではなかったのだろうか。それらの重大課題を争点にすることなく、政権の信託がなされたと言って、自身の延命を謀って、好き勝手をやろうとしている意図が見え透いているのだ。だいたい国民の8割近くが反対している師走選挙を強行する人間が、民意を問いたいと言っても説得力が無さすぎるであろう。この一点だけをとっても彼が国民のことなど本気で思っていないことが、よく分かるのである。(実はここまでは、現実の解散前に書いた部分だったので、11月25日現在では、少々訂正せねばならない)  

  まず、マスコミ各社によっても違うのだが、解散総選挙肯定派が、やや増えてきた。と言っても3分の1に満たないのだが・・・

 次に、首相は、解散総選挙の名目を、消費税据え置きから「アベノミクス」全体の是非を問うものに変えてきた。あまりにおかしいと、反発が起きたためであろう。この程度のことも予測できない程、国民を馬鹿にしているのか、根本的に関心がないのであろう。だが、明らかに途中で結果の出ていない「アベノミクス」の是非を問うのも選挙のテーマとしては相応しくないのだが、たぶんそこが狙いなのであろう。結果が出てからでは、まずいので・・・  

 また、最初の会見で勝敗ラインを自公で過半数においたのも、身内の与党皆の反発を招いて、幹事長達に訂正させられた。当然である。自分勝手をやっておいて、現職80人くらいの落選者を出しても、総裁の座に居座ると宣言したも同じなのだから。もしこれが民間企業だったら、どうであろう。社長が会社再建のためのリストラでもなく、自分の我儘で社員の4分の1以上をクビにしたとしたら? 例えオーナー社長であったとしても、間違いなく代表取締役を解任されるに違いない。「過半数を割ったら退陣する」という言葉も覚悟の表れのように聞こえることを狙ったものだろうが、過半数を割って退陣しないことなど始めからありえないし、共産党を除く野党が過半数を取れるだけ擁立できないことも重々承知の上での発言なので、これも国民を馬鹿にしているとしか思えない。要は、「僕は総理大臣を絶対やめませんよ」と言っているのに等しいのである。だが、50議席くらい減ることになれば、さすがに自民党内からも責任論が浮上する可能性は高い。安倍首相の一連の独善的な政治手法に不満を持つ者も、これまで我慢してきた分、ここぞとばかりに立ち上がることも考えられる。だが、「安倍おろし」は国民とマスコミが味方しないと実現しない。安倍親派の大新聞グループは、安倍続投の世論操作に走るかもしれない。その時他のマスコミと国民自身が問われる時が来る。本当にこの先の数年間「彼」でいいのかと。

 安倍首相が良く使う「戦後レジームからの脱却」とは、憲法を元にした現国家体制や戦後教育等の否定に他ならない。彼の大好きな靖国神社が戦前を美化しているように、彼に目指す「美しい国」のモデルは限りなく大日本帝国にあるのはほぼ間違いないと思われる。来年で戦後70年になるが、70歳代は戦中派の子供世代であるから、本当の戦前の日本の姿を知る人はいよいよ数少なくなってきた。だが、彼ら大先輩たちは戦前の日本と今の日本のどちらが良いと答えるだろうか?  人は往々にして対象の一側面しか見ない傾向にある。それは物であっても国であっても、時代であっても人であっても。もしかすると小生も安倍首相のほんの一部の面ばかりを見ているのかもしれない。だが、現内閣を支持している多くの人々より彼のことを注視しているつもりである。そして自民党の中であっても政権交代がこの選挙で実現することを期待して、大切な一票を投じたいと思う。

PS.    小学4年生を騙ってネットで解散批判をした大学生を、この日本国の現首相は「最も卑劣な行為」と断罪した。国の最高責任者が「最も卑劣な行為」と言うのを聞いて、世界の人々はどれほどの大罪を想像することだろう。彼はそんな酷いことをしたのだろうか? 少なくとも、一般国民にこれだけ噛み付く首相は前代未聞である。総理大臣とは、日本で最も批判の矢に身を委ねなければならない職業である。だが、彼は彼の側近にあらゆる媒体の首相批判記事等をチェックさせ、気に入らないものには内容証明郵便で訂正を求めたりしているらしい。いつか小生の所にも、そんな郵便か来るかも。それはそれで楽しみだけど。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://cms.blog.gnavi.co.jp/t/trackback/613809/33067701

玉ちゃんの独り言 第37回「XX解散総選挙」を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

玉茶庵 のサービス一覧

玉茶庵
  • TEL04-7166-6636