« 2014年8月 | メイン | 2014年10月 »

2014年9月

2014年9月29日 (月)

玉ちゃんの独り言 第35回「イスラム国空爆と日本」

                      玉ちゃんの独り言 第35回「イスラム国空爆と日本」

 今日ついにアメリカ他数か国が、イスラム国(国家を名乗るイスラム教スンニ派の過激派組織)壊滅のため、シリアを空爆した。言うまでもなくイスラム国は凶悪な集団で、仮に全滅したとしても同情の余地はないのだが、素朴な疑問として、どうして第3国に空から爆弾を落とすことが、当たり前のように行われるのか、小生には理解できない。国連決議等もなく、今回同調したのは、イスラム国に反発しているアラブ諸国の一部だけだ。別にシリアがアメリカやイラクに対して攻撃したわけでもないのに、罪もない一般市民に被害が及ぶことは避けられまい。確かにイラクの内戦は泥沼化しており、イスラム国は、9.11時のアルカイダの如く、アメリカには邪魔な存在になっている。だが、イラクをこんな状態にした最大の責任はアメリカにあることは明白だ。イラク政府を滅ぼし、権力側であったイスラム教スンニ派を弾圧したことが、現在の武力抗争に繋がっているのは間違いない。かつてイラン・イラク戦争時、フセイン政権を応援したのもアメリカなら、アルカイダを育てたのもアメリカである。アルカイダ、そしてビンラディンが東西冷戦時にアメリカの都合によって大きくなったのとは対照的に、アルカイダから生まれたイスラム国は、アメリカの都合により嘘の罪(大量破壊兵器保持)で滅ぼされたスンニ派政権であるフセイン大統領一派の残党や支持者が、より急進的過激派に形を変えていったものの可能性は高い。それに加えイスラエルを全面的に支援し、イスラム教系アラブ人を弾圧するアメリカに対する憎悪の念が、アラブ人のみならず世界的に広がっていったことがイスラム国をこれだけ強大化させた原因であろう。結局アメリカは、自分が蒔いた戦争の種を自国の軍隊で刈り取りに行き、そこでまた新たなる紛争の種を蒔いているようなものである。まさの悪循環と云う他ない(軍事産業にとっては、好循環か?)。一説によれば、米軍のシリアへの地上部隊投入も検討されているとのことなので、第二のアフガン戦争を始めるつもりなのかもしれない。世界の警察を自負するこの国が行ってきたことは、朝鮮・ベトナム戦争以前も以降も、平和実現とは程遠い戦争の連続である。アメリカ共和党の強力な支持基盤に軍事産業があることはよく知られているが、不思議なことに民主党政権下において数々の戦争の火蓋が切られているのも事実だ。結局どちらの政権であってもアメリカが世界で一番好戦的な国家であることは否定のしようもない。そして日本はイギリスやフランス同様アメリカの同盟国である。ただ、これまでは憲法9条と集団的自衛権行使の否定により、アメリカに共に戦うことを強制されなかっただけのことなのだ。したがってこれからは、日本もどうなるのかわからない局面に踏み込もうとしている可能性が強い。時々二枚舌を使われる首相は表向き否定しているが、前幹事長にして次の首相候補筆頭の石破氏は、集団的自衛権行使が可能になれば、中東への自衛隊派遣もありうることを認めている。はっきりと二人に共通するのは、日本人もアメリカのために血を流してこその同盟国であるとの認識である。確かに残念なことではあるが、ここ数年海外で日本人の血が流されている。明白な形で殺された香田氏の場合だけでなく、トルコでの二人の女性旅行者の死もイスラム教過激派の影が見え隠れしている。そして今また、イスラム国に拘束された湯川氏の命も風前の灯であろう。フランス人旅行者がアフリカで拘束されたように、危険は中東以外の国々に飛び火している。日本人がどう捉えていようが、イスラム系アラブ諸国から見れば、日本は彼らの敵国となろうとしていると映るに違いない。もし自衛隊が中東へ戦闘に向かう日がやってくれば、9.11クラスのテロが日本の原発付近で起きても不思議ではなくなるのだ。小生にはわからない。エネルギーである石油を依存し友好国も多い西アジアの国々と、どうして、敢えて敵にならなければならないのか(まさか中東からの石油がストップした場合に備えて、原発の再起動を急いでいる訳ではないとは思いたいが)? それが北朝鮮や中国の脅威への解消に繋がるとでもいうのだろうか。そんなことは微塵もありえない。日本国憲法こそが、戦後日本が戦争に巻き込まれるのを防いできた防波堤だったことは間違いない。一国平和主義などありえないと首相はのたまうが、世界で最も戦争と侵略に無縁な国は、どの国とも決して同盟を結ばない永世中立国スイスであることは、誰にも否定のできない事実である。日本とアメリカは今でも非常に緊密な関係にある。属国であると言う人もいるほどだ。別に小生は、憲法改正に反対でもないし、アメリカとの同盟関係を破棄するべきなどと考えているわけでもない。ただ、遠からず世界一の大国の座から陥落することが確実なアメリカと、今以上これ以上の運命共同体になることが日本の国益になるとは、どうしても思えないのである。  先日誕生した安倍改造内閣の新総務大臣が、記者会見で注目すべき発言をした。総務省といえば、マスコミ等報道機関の所轄官庁であるが、彼女は朝日新聞の失態を例に出して、政府による報道機関への圧力を強めるとも取れる発言をしている。もちろん戦前のような言論統制をする気ではないとは思うが、彼女が靖国神社大好きのタカ派の論客であることは有名であり、彼女にこのポストを任せたのが、官房副長官時代NHKプロデューサーを恫喝脅かした前歴(詳しくは「独り言 第27回」に)のある現首相であるのは、偶然ではないはずだ。今までタブーとされてきたアベノミクス失敗説が最近取り沙汰され始めているが、この手の報道も規制したいのだろうか。とにかく支持率の高いうちに(どうやっても今の分裂野党などに負けるはずはないという自信故)総選挙を強行して、消費税増税と集団的自衛権関連法案を国民が了承したという形を取ろうとしているとの噂もある。小生が安倍晋三氏を総理大臣として評価できないのは、単なる好き嫌いや政治的信条の違いだけではない。ついでに言えば、彼が戦後の歴代首相の中で(小学校卒の天才田中角栄氏を除く)、最も学業成績が悪かったからだけでもない。それは彼が時折垣間見せる一種の危うさのようなものに、首相として不安を覚えるからである。世間的にはソフトなイメージも強い人ではあるが、たぶんかなり激しい気性の持ち主に違いない。それが体調面も含め完全にコントロールされていればまだ問題はないのだが、時折綻びを見せてしまう瞬間がある。例えば演説や答弁において、これまでの首相が「我が国は」「政府としては」等と述べる場面で、彼は再三「私は」と発言している。また国会の委員会答弁において、他の人の発言を遮って、私が最高責任者だから(許される)のような発言をして、身内の自民党内部からも大顰蹙を買ったこともあった。これらの自己中心的発想は、議院内閣制の総理大臣にそぐわないものであると思われる。首相の座を目前に早逝した亡父の教訓か、前回の自身の政権投失の無念さからか、彼には他の歴代首相にはない焦りといったものが感じられるのである。もし集団的自衛権行使が完全に決定されれば、今までとは比較にならない程首相個人の責任は重くなる。そこに健康面を含め自己コントロールの低い人間が居座ってはならないのだ。それに比べれば石破氏の方が政治家としてその資質はあると思われる。が、自衛隊出身者であり現役の自衛隊幹部とも非常に親しい人間が国の最高責任者になることは、シビリアン・コントロールの理念からして果たして妥当であるのか否かは、石破氏個人の問題に限らず、今後充分検討すべき課題であると思われる。戦前の日本の最大の間違いは、軍部独裁を許したことである。先進国といわれる国々がシビリアン・コントロールを義務付けているのは第二次世界大戦の大いなる反省から生まれたものであり、日本国憲法にもそれは文民統制と言う形で謳われている。当面政権交代が望めない今、自民党には正しい政治を行ってもらいたい。それにふさわしいリーダーとともに。

  ps. 今月は少々過激に走ったやもしれません。安倍首相を好きな人、ゴメンナサイ。

  ps.その2          

 上記psで、今月分を締めるつもりであったが、首相の国連演説の内容を知り、気が変わった。 集団的自衛権行使の是非さえまだ国民のコンセンサスを得てはいないというのに、この方は、まるで国の決定事項かのように、世界に向けて自衛隊のPKO参加時の武力行使について述べている。暴走と言う他ない。国の行く末を決めるのは、(代表者の集まりとして国会も含め)国民なのか、三権の長の一人に過ぎない内閣総理大臣なのか、小学校、中学校の社会の教科書から勉強し直してきて欲しいものである。   

玉茶庵 のサービス一覧

玉茶庵
  • TEL04-7166-6636