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2013年12月

2013年12月 1日 (日)

玉ちゃんの独り言 第25回「特定秘密保護法案について」

                  玉ちゃんの独り言 第25回「特定秘密保護法案について」

 昨夜特定秘密保護法案は衆議院で可決した。一部では治安維持法の再来のように非難されているこの法律が何故こうもあっさりと通ってしまうのだろうか? もちろん現与党は衆参両議会で多数を持っており、さらに内閣支持率も高い位置でキープされている以上、どんな法律でも作れて不思議はないのだが、何か違う気がする。法案通過は今日のトップニュースであるが、ほとんどのマスコミや有識者の多くが反対だったにも拘わらず、こうなる前にマスコミ、特にテレビがこの法案とその問題点について国民に分かりやすく説明していたかというと、甚だ疑問を持たざるを得ない。確かにこの法律は消費税やTPPと違って、一般市民の生活に即影響を与える可能性は少ないと思われている。だが、この法案に強く反発する人々の意見によれば、これは政府が国民を監視し、反政府的な思想・発言を持つ人々を逮捕できる法律だとも言われている。諸外国にも同様の法律はあるが、基本的には秘密保持は公務員の責任に留め、一般国民は罰しないツワネ原則という国際基準に則ったものが通常であり、処罰対象を全国民にまで広げたところに今回の法案の特異性があると言われている。その上秘密の選定が各省庁に委ねられており、それをチェックする公正な機関が作られるかどうかは微妙である。結局、この法律の最大の目的は今日成立したNSC法案とセットで政府・官邸を国民の目から見えないところで権限強化を図ることにあると言えよう。現政権がこの法案成立を急いだのは、単に予算編成等の国会スケジュールが押し迫っているからだけではなく、恐らく年内のうちにアメリカと共有したい軍事機密があるのだと推察される。例えば、対中国・北朝鮮用のステルス戦闘機配備計画の前倒しとか・・・?  しかし、政権の思惑が仮に軍事的なもの中心であるにせよ、この法律は現実に運用する霞が関の権限・省益アップの側面の方が遥かに大きい可能性が高い。外務省官僚の中には日本の国益を損なうものである「思いやり予算」が減らないようアメリカ政府にアドバイスを送っている輩までいると聞く。この法律が施行されればこのような「非国民」である官僚の実態にもメスを入れることが出来なくなってしまうのである。  福島出身で弁護士という法律の専門家である女性大臣をこの法案の担当にしたのは、この法律の持つ狼の側面を柔らかな羊の皮で覆いたかったからではないのだろうか。安倍総理が昨日までこの法案審議の先頭に立たなかったのもタカ派の側面をあまり強く植えつけたくなかったからに相違ない。この法案は担当大臣も苦戦するほど複雑な(或いは曖昧な)文章で構成されているらしい。もっとも、ツワネ原則を読んでいないと吐露した彼女が、本当にこの法案を良しと思っているかどうかは知りようがない。大体、政府提出法案は全て官僚の作文によるものだが、今回の法案原文には実に36もの「その他」という表現が含まれている。たった一つの「等」の字のために震災復興法が沖縄の道路建設にも使われる程、法律の拡大解釈は官僚の得意技である。ましてや36の「その他」はこの法律をどこまで拡げることになるかは見当もつかない。ただ、強硬な法案反対論者が言うように、これが治安維持法の再来という意見には賛同しかねる。何故ならば、戦前と違って国民の手で政権交代を実現した現在、この法律で一般国民を逮捕しまくったり即戦争に加担したりすれば、政権など簡単に吹き飛んでしまう程度の民主主義は今の日本には存在するはずだからだ。もちろんこの法案は本来廃案になるべき悪法或いは欠陥法と思われるし、仮に成立したとしても民主党提出の対案法案なども同時に加えて、危険な方向に走ることがないようブレーキをかけるのが国民の代表者たる国会議員が構成する立法府の責任であるに違いない。だが、それを今の国会、参議院に臨むのはおそらく無理であろう。元々世論調査の賛成の少ない法案なので、マスコミ等が本格的に反対キャンペーンを張れば、民意が議員達の投票行動に影響を与え、もしかしたら継続審議くらいに持ち込むことができたかもしれないのだが、最大大手の新聞社(その主筆)が賛成なのだから、マスコミが団結することなど出来ようはずもないのだ。こうして現政権は着々と外堀を埋める作業を続け、来るべき憲法改変・集団的自衛権行使という本丸を目指すつもりなのだろう。そしてそんな政治家たちを陰で笑いながら、霞が関官僚は自分たちの地位を増々強固不動なものにしてゆくのだ。真の意味で国益を損なう存在「非国民」とは、いったい誰のことなのか、もう一度考えてみる必要がありそうな今日この頃である。

追記(お詫びと訂正)  前々回の独り言にて、女子バレーボールの木村沙織選手が移籍したトルコ・リーグをレベルが低いかのように書きましたのは、ひとえに小生の不勉強故の誤りであり、銅メダル国のエースでもレギュラーを取れないほどレベルの高いリーグに(たとえ1年だけになったとしても)移籍した「さおりん」の勇気と努力に改めて敬意を払いたいと思います。  この拙い文章を読んで頂いている方にもお詫び申し上げます。

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